発達障害 障害認定基準
■発達障害とは 脳の働き方の違いにより、物事のとらえ方や行動のパターンに違いがあり、そのため、日常生活に支障が出ている状態をいいます。脳機能の発達に関係する障害で、通常は低年齢において症状が現れます。知的障害を伴わない発達障害の場合は、初めて病院を受診した日が初診日となります。
■20歳前の傷病 国民年金に加入する20歳前(または厚生年金等の加入前)に初診日がある傷病をいいます。
・対象傷病 先天性の障害、知的障害、発達障害、または20歳未満の期間に初診日がある傷病
・対象等級 障害基礎年金1級、2級 ※3級は、障害等級表には「3級」の基準も記載されていますが、知的障害は初診日に厚生年金に加入していないため実務上3級の支給対象にはなりません。
・保険料納付要件 問われません。
・請求の時期 20歳に達した日(20歳の誕生日の前日)以降。(初診日から1年6か月経過した日が、20歳に達した日より遅い場合は、初診日から1年6か月経過した日。)
・所得制限 本人の前年の所得額が3,761,000円超・・・半額支給停止
本人の前年の所得額が4,794,000円超・・・全額支給停止
海外居住、矯正施設入所の場合・・・・・・全額支給停止
※扶養親族がいない場合の基準額です。
■主な種類と特徴
・自閉症 言葉の発達の遅れ、コミュニケーションの障害、対人関係・社会性の障害、パターン化した行動・こだわりなど
・アスペルガー症候群 コミュニケーションの障害、対人関係・社会性の障害、パターン化した行動・興味関心のかたよりなど ※言葉の発達の遅れがないため、障害があることが分かりにくい。
・注意欠陥多動性障害(ADHD) 集中できない(不注意)、じっとしていられない(多動・多弁)、考えるよりも先に動く(衝動的な行動)など
・学習障害(LD) 全般的な知的発達に遅れはないのに、聞く・話す・読む・書く・計算する・推論するなど、特定の分野の習得に著しい困難がある。
■障害等級の目安

※3級は、初診日に厚生年金に加入していた方が対象です。
■障害認定における注意点
・対人関係や意思疎通が困難 知能指数が低くなくても、対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために、日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定されます。
・感覚過敏 臭気、光、音、気温などの感覚過敏があり、日常生活に著しい制限を受ける場合も、これを考慮して認定されます。
・他の精神疾患が重なっている場合 発達障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合認定の取り扱いはせず、現れているすべての症状を総合的に判断して認定されます。
・日常生活能力の判断基準 日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮の上、実際に社会生活にどの程度適応できているか(社会的適応性の程度)によって判断されます。(詳しくは日本年金機構の「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」に基準が示されています。)
■医師や申請書類へ正しく状況を伝えるコツ
・日常生活の不自由さや援助の実態を伝える 家族等の日常生活上の援助の状況や、福祉サービスの利用状況などを主治医にしっかりと伝えることが、実態に即した診断書を作成してもらうために極めて大切です。
・申請書類の整合性を確認する 医師が書く「診断書」の内容(医師が把握している普段の生活実態を反映したもの)と自分が書く「病歴・就労状況等申立書」の内容に矛盾がないよう、整合性を合わせて作成することが重要です。
■仕事をしながらでも障害年金はもらえるの?
・仕事の状況を伝える 働いている場合は、その仕事の種類や内容、就労状況はもちろん、「職場でどのような配慮や援助を受けているか」「同僚とのコミュニケーションの状況」などを、医師や、自身で書く申請書類(病歴・就労状況等申立書)を通じて詳細に伝えることが非常に重要になります。
・就労系障害福祉サービス等による就労 就労継続支援A型、就労継続支援B型及び障害者雇用制度により就労している場合は、その状況を医師や、自身で書く申請書類(病歴・就労状況等申立書)に記すことで、就労の実態を伝えることができます。
・陳述書(任意書類)を添付する 職場の上司などに「実際の就労状況」や「配慮や援助をしている点」、「コミュニケーションの状況」などを詳細に記した陳述書を作成してもらい提出することも、実態を伝える手だてになります。